便秘で肌荒れが起きるのはなぜ?その関係と便秘解消法

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便秘気味になったら急に肌荒れた、と言う経験はありませんか?

実は便秘は「ただ便が出ないだけ」ではなく、体の色々なところに影響を及ぼすのです。

今回は便秘で肌荒れが起きるメカニズムに加え、

便秘の症状や原因、解消法についてご紹介します。

 

 

そもそも便秘とは

実は便秘にはどのくらいの期間便が出なかったら便秘、

という明確な定義があるわけではありません。

一日一度便を出していた人が一日出せなかっただけで残便感を感じることもあれば、

一週間近く出していない人が何も問題を感じないこともあります。

 

慢性便秘症診療ガイドライン2017によると

本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」であるとし、

 

日本内科学会では

3日排便がない状態、または排便があっても残便感がある状態」としています。

 

そのため何日以上便を出せていないから便秘、と言うよりは

自身に便秘の自覚症状があるかないかが重要だと言えるでしょう。

 

便秘になりやすい人は?

女性は男性の2倍以上便秘を訴える人が多く、

若い人よりも年を重ねた人の方が便秘になりやすいと言うデータがあります。

女性特有の便秘の原因としてホルモンバランスの乱れが挙げられます。

生理などにより増減するホルモンの影響で腸内の環境が変わり、便秘になりやすいのです。

 

高齢者の場合腸の活動自体が緩やかになることが多いのに加え、腹圧(いきむ力)の低下

などにより便秘を訴えることが多くなります。

 

便秘の症状はチェック

便秘の目安として、以下のような症状が出てきます。

自身が当てはまるかチェックしてみましょう。

 

  • お腹が張って苦しい。おならが出る
  • 便を出せはするが、まだ残っている感じがする
  • 便が硬かったり、コロコロとした便が出る
  • 便が溜まっている感じはあるのに、いきんでも中々でない、
  • いきんで出した便が硬く、肛門から血が出てしまった

 

これらの症状がある場合便秘になっている可能性が高いです。

逆にこのような症状がなく、

単純に便の頻度が少ないと言う場合にはあまり気にする必要はないでしょう。

 

便秘によって起こる悪影響

では便秘によってどのような悪影響が出てくるのでしょうか。

起こりうる症状を見ていきましょう。

 

肌荒れ・ニキビ・吹き出物

便秘になると腸内に長く便が留まり、悪玉菌が増殖し有害物質を出し始めます。

腸内で作られた有害物質は排便がないため排出されず、

体に吸収され、血液に乗って全身に運ばれ汗となって肌に付着します。

すると有害物質の含まれた汗によって肌荒れやニキビ、吹き出物などが起きるのです。

 

またこの有害物質は悪臭もするため、体臭が臭くなると言った影響もあります。

 

おならの増加と悪臭

腸内ではもともとある程度の量のガスが作られており、

健康な人なら無臭のガスが排便と同時に排出され、

においのある臭いおならとして出る事はありません。

しかし便秘になると腸内環境が悪化し腸内にガスが溜まり、

悪玉菌の増加により悪臭のするガスも作られます。

 

そのためお腹の張りを感じたり、おならの回数の増加、

臭いにおいのするおならが出ると言った事が起こります。

 

食欲不振

便やガスで腸内がパンパンになると新しく送られてきた食物を入れるスペースがないため、

腸や胃の働きが低下し食欲不振を招きます。また胃の働きが低下することと、

お腹が膨れたような感じがすることから吐き気が起こる事もあります。

 

お腹の張り、腹痛

便やガスで腸が圧迫され、おなかが張るような感じがすることがあります。

お腹の張りによって違和感や不快感を覚えたり、場合によっては痛むこともあり

大きなストレスの要因となります。

 

痔、脱肛

便秘になると便の水分が抜け硬くなり、いきんで排出しようとした時に

肛門を傷つけ出血してしまうなど、切れ痔になってしまう可能性があります。

また硬い便を出すためにいきみ脱肛してしまうことも。

便が出しづらく、痛みを伴うと排便自体が大きなストレスになり体調の悪化を招きます。

 

自律神経の乱れ

腸には多くの神経細胞が集まっており、腸の活動と自律神経は密接に関係しています。

そのため便秘により自律神経が乱れたり、逆に自律神経の乱れから便秘が起きることも。

自律神経は呼吸器官や内臓器官など体の内臓の動きを

自動的に調整する働きを持っているため、その乱れは様々な場所に影響を及ぼします。

 

何かしらの原因で自律神経が乱れると、

体を活発に動かすための交感神経が優位になる一方で、

体の調子を整え休息を行うための副交感神経への切り替えが上手く行われなくなります。

 

腸はぜんどう運動と呼ばれる動きで便の排泄を促しますが、

交感神経が優位な時にはこの運動は止まり、副交感神経が優位な時に活発に動きます。

そのため自律神経が乱れるとぜんどう運動が十分に行われず便秘が起こるのです。

 

逆に便秘になると腸の運動が滞り、それが原因となって自律神経が乱れると言われています。

自律神経が乱れると以下のような影響が出てきます。

 

イライラ(ストレス)、不眠

交感神経が優位の場合、体は緊張し活動するための状態に入っています。

しかしこの状態では体が休まることがなく、イライラした状態になりがちです。

便秘による腹部の膨張感や不快感、便が出ない事への不安などからも

ストレスが溜まりやすく、精神的な苦痛が感じられることが多いです。

 

また体が緊張しているため上手く寝付けず、不眠の症状が起こる事もあります。

 

血行の悪化

交感神経が優位になると体は緊張し血管が収縮します。

すると血流が悪くなり、体の各部に影響を与え、以下のような症状を引き起こします。

 

・肥満、太りやすくなる、肌荒れ

血液に乗って体に栄養が行きわたらないようになると、

新陳代謝が低下します。細胞の生まれ変わりである新陳代謝が低下すると、

エネルギーの燃焼量が減るため、太りやすくなってしまうのです。

また新陳代謝により肌の細胞も生まれ変わっているため、

血行が滞ることが肌荒れの原因にもなります。

 

・肩こり、腰痛、むくみ、冷え

血流が悪化すると肩や腰にたまった疲労物質などが取り除かれず、

筋肉が硬くなりコリや痛みの症状が現れます。

一度コリが出てしまうとさらに血流が悪くなるため、

コリが酷くなったりからだ全体の血の流れが悪化する悪循環が発生します。

 

また、リンパの流れも悪くなり老廃物の排出も滞るため、

肩コリ以外にもむくみの症状が起きます。

 

さらに、からだ全体の血の流れが悪くなると手足などの血管が細い末端部分に

温かい血液が運ばれず、冷えの症状が出ることもあります。

 

便秘の原因は?

便秘のおおもとの原因となるものには種類がいくつかあり、人によってさまざまです。

多くの場合、その原因は機能性と器質性の2種類、計4つに当てはめることが出来ます。

自身の便秘の種類がどれに当てはまるか見てみましょう

 

機能性便秘

大腸の働きが悪くなり起こるのタイプです。

ここからさらに3つの原因に分けられます。

 

1.弛緩性便秘

便が作られた後に排出を促すぜんどう運動が十分でないために

便が大腸内に長く留まり便秘になるタイプです。

その過程で水分が吸収され便が硬くなりカチカチになるのが特徴です。

何らかの理由で大腸の運動が低下すると起きやすい便秘です。

 

運動不足、ホルモンバランスの乱れ、ダイエット、食物繊維・水分不足などが

原因となって起こります。

 

2.痙攣(けいれん)性便秘

ぜんどう運動が行われない事によって起こる弛緩性便秘に対し、

主にストレスの影響によりぜんどう運動が不安定になり起こるのが痙攣性便秘です。

不規則に大腸が動くため便がスムーズに運ばれず、

長時間留まりうさぎのフンのようなコロコロとした形の便が出てくるのが特徴です。

 

人前に出たり、旅行に行くなどの環境の変化、そう言った緊張・ストレス

原因となって起こります。

 

3.直腸性便秘

本来便が運ばれ大腸から直腸に入ると便意を催すのですが、普段から便意を我慢する事で

便を感知して便意を発する神経が鈍り、便意を感じづらくなることによって起こる便秘です。

 

朝時間の無い時や職場や学校など便意を感じても我慢する事が多かったり、

高齢者や寝たきりの人に多いタイプです。

 

器質性便秘

大腸がんや炎症、手術後の癒着などにより大腸の中を

物理的にスムーズに通過できないことによって起こる便秘です。

 

元となっている病気を治す必要があるため、病院に行き受診する事が必要です。

 

便秘の解消法

便秘の原因の殆どは機能性便秘のため、

生活習慣の見直しをする事で解消する事が出来ます。

ただしこれをやれば直ぐに治る!と言うわけではなく、

習慣づけて継続する事が便秘解消には重要となります。

 

ウォーキングなどの適度な運動をする

便を排出する際にはいきむ必要がありますが、これにはある程度の筋力が必要です。

女性や高齢者が便秘になりやすいのは

筋力が低いことからいきむ力が低いことも挙げられます。

運動不足の状態では全身の筋力が低下しているため、

ウォーキングなどの運動を行い体を動かすようにしましょう。

 

筋肉を付ける以外にも

運動には血流を良くする効果や、腸を刺激してぜんどう運動を活発にさせる効果もあります。

肌荒れやストレス解消にも効果があるので試してみてはいかがでしょうか。

 

・参考記事

ウォーキングで肌荒れ解消!効果的な歩き方は? - 健康肌care

 

排便を習慣づける

便秘で便が出せない場合であっても、一日のうち決まった時間にトイレに入り

便を出そうとすることで、自然とその時間に便意を感じるようになります。

特に朝の時間は胃や腸の運動が強く、便を出すのに適しています。

 

朝起きたら、水分不足解消も兼ねぬるま湯をコップ1杯飲み胃と腸を目覚めさせましょう。

そして大事なのが、一日3食きちんと取る事です。

先ほども言ったように朝は腸の運動が活発なため、食事をとる事で胃と腸が刺激され、

それにより便意を自然と催します。

そのため朝食をとった後は排便の丁度良いタイミングなのです。

また朝食を抜いてしまうと胃や腸が眠ったままで動きが鈍いため、便秘の原因にもなります。

 

時間が無いと便意を我慢することになるため、朝起きる時間は少し余裕を持ち、

朝食をきちんと取り決まったリズムで生活するよう心がけましょう。

 

もちろん、朝食後が排便の良い機会だというだけで

昼間や夕方、夜に排便を行うことに問題はありません。

 

便秘の解消に良い食べ物をとる

食物繊維

食物繊維をとる事で腸内環境が整い善玉菌が増える他、

腸を刺激してぜんどう運動を起こしたりと言った効果があります。

 

食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類に分かれ、それぞれ働きが違います。

便秘の時に便を硬くし刺激を与える事で排泄を促す

不溶性食物繊維ばかりをとりすぎると逆効果になる事もあるため、

不溶性と水溶性の食物繊維はバランス良く取るようにしましょう。

 

・不溶性食物繊維

穀類、ごぼう、レンコン、キャベツと言った野菜類、大豆などの豆類、キノコ類、海藻

などに多く含まれます。

 

胃や腸の中で水分を吸って大きく膨らみ、その刺激でぜんどう運動をおこし排便を促す効果があります。

 

・水溶性食物繊維

昆布、わかめ、こんにゃく、果物、芋類、大麦、オーツ麦、ひじきなどに多く含まれます。

 

ぬるぬる、ねばねばにより消化を緩やかにし、食べ過ぎの防止、

糖の吸収を抑え血糖値の上昇を防ぐ効果があります。

水分の保持の効果もあるため、便を柔らかくし排便しやすくする効果も期待出来ます。

 

発酵食品

ヨーグルトや、キムチ、ぬか漬け、納豆などの発酵食品は乳酸菌などの善玉菌を

多く含有しており、腸内環境を整えるのに役立ちます。

またこれらに加え食物繊維なども一緒に取る事で相乗効果が生まれ、

より便秘解消に役立ちます。

 

水分を飲んできちんと水分補給をする

体内の水分が不足すると、

不足を補うために便の水分を吸収するようになり便が硬くなってしまいます。

硬い便は便秘に繋がる他出すときにも肛門を傷つけてしまうなどの問題があるため、

水分をきちんと補給する事は便秘解消に重要だと言えます。

 

コップ1杯分の水を一日に6~8杯、

約1.5リットル分が食事以外からの水の必要摂取量となります。

一度に大量の飲んでも尿として排出されてしまうため、

何度かに分けこまめに水分補給をするようにしましょう。

 

サプリメントを利用する

時間に追われ生活習慣を変えるのが難しかったり、いまいち効果が出ない場合には

サプリメントを利用し便秘解消の補助をしてもらいましょう。

 

長引く慢性的な便秘を解消するのは大変ですが、サプリメントなら手軽にとれるので

普段の生活そのままに便秘解消が期待出来るのが良いところです。

便秘に悩んでいるけどまだサプリメントに手を出したことがないと言う方は

一度試してみてはいかがでしょうか。

 

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まとめ

おさらいとなりますが、

便秘による肌荒れは腸内で発生した有害物質が汗になり肌に付着する事と、

血行不良が起こり栄養が行きわたらず肌の新陳代謝が行われない事が主な原因で起こります。

 

それ以外にも肌荒れやニキビが起きる原因には便秘によるストレスなども影響するため、

たかが便秘と甘く見てはいけません。

生活習慣を見直し、便秘を起こさないよう気を付けましょう。